いつもと同じ商店街。


毎日駅へ向かうのに通っているのだから、見慣れた景色のはずなのだが・・・、


「・・・落ち着かないな」


同じ道なのに目線が遥かに高いだけでこんなに違うとは。


「それに・・・動きにくいな」


結局、ボン太くんはアルに却下されたので、部屋にあった服
(世間一般では作業着と言うらしい)を着て出てきたのは良かったが、この服もなかなか動きにくい。


「・・・急ぐか」


いつ薬の効果が切れるかわからないので、ソースケは急いで部品屋を探しました。


と、道の途中に・・・、


「それでですね〜」


「!」


前から歩いてくる集団の中に聞きなれた声を見つけました。


(た、大佐殿!?)


だから大佐じゃないってば。


動揺したソースケは急いで電信柱の影に隠れて、やり過ごそうとしました。


「ねぇ、テッサ?」


「はい?なんです?」


「あそこの電信柱に隠れてる男知ってる?」


「いいえ?何でですかメリッサ?」


「いやー、何かあんたを怯えた目で見てるもんだから、何かの実験に使われたかと思って」


「何言ってるんですか!私がいじるのは機械だけですよ。」


そんな会話が繰り広げられているとは知るわけも無く、ソースケは遠ざかっていく2人の背中を見送りました。


(ふぅ・・・)


と、そこでよくよく考えたら隠れずとも良かったと気付き、ソースケは盛大なため息をつきました。


「人間というのは随分疲れる生き物だな・・・。」

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