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その日は、ソースケにとって忘れられない1日でした。



【黄昏時の幻影】



ある休日の朝、ソースケは珍しく寝坊をしました。


(・・・番犬が寝坊とは情けない)


(全くです、軍曹殿)


もはや軍犬ではないのだから起きる時間はいつでもいいのですが、
自分に甘くなれないのは、軍犬の頃の習慣か、はたまた隣にいる相棒の嫌味が聞きたくないからか。


(まだ8時39分だ、問題はない)


(肯定です。本日も快晴、降水確率0%、実験にはもってこいです)


(実験?)


またこの機械仕掛けの犬は何をたくらんでいるのやら。


(早速ですが軍曹、このドリンクを飲んでください)


そういってアルが差し出したそのビンには怪しげな色の液体が入っています。


(・・・・断る)


(なぜですか?)


(そんな得体の知れない物を飲めといわれても飲むわけが無いだろう)


(ごもっともです。ですがこれには生物を致死させるような物は含まれていないのでご安心ください)


(知るか。俺は飲まんぞ)


そんな訳の分からない物を飲んで、万一何かあってはたまらないと、ソースケはそっぽを向きました。


が、アルはどうしても諦めきれない様子。


(交渉の余地はないのですか)


(あぁ、全くな)


(では仕方ありません)


アルがスイッチを押すと、ソースケの足元から無数のトラップが現れました。


(・・・っ!!!?)


咄嗟に避けようとしますが、動きが鈍い右足を捕らえられ、動きが止まったせいで他の足も封じられてしまいました。


(何の真似だ!!!)


ソースケがめいいっぱいの威嚇をしますが、アルは電子音と共にその目をキラリと光らせて、


(往生際が悪いですよ軍曹)


(き、貴様っ!!)


アルはソースケの口をこじ開けると、例のドリンクを口に流し込みました。


(あぐがが・・・)


ソースケは精一杯の抵抗をしましたが、無念にもそれを飲み込んでしまいました。


(飲みましたね)


(だ、黙れ・・・今度こそ解体してやる)


(10分ほどで効果は現れるはずです)


(俺が死んだらどうするつもりだ)


(ですから死にはしません。)


ソースケは確証のない相棒の言葉に肩を落とすしかありませんでした。

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